幾度となく壁にぶつかり、心身の骨格が変わりつつあるサッカー人間の下澤悠太。
それでもまた立ち上がり、挑戦を続けようとする。痛みを感じないのか、バカなのか。
なぜ下澤悠太は、そこまで挑戦を続け、活躍したいと思うのか?
そんなことを改めて考えてみました。
「なぜ僕はプロサッカー選手として挑戦を続け、活躍したいのか? 」
「なんで自分は挑戦を続けているんだっけ?」
その問いと向き合ってみると、いつも主語が自分ではなく、「自分以外の誰のためなんだろう?」という他人軸で考えていたことに気づきました。
これまでずっと応援してくださってきた方々に対して、「下澤を応援して本当によかった!」と心から思ってもらうため? 自分と似たような境遇の人に対して、自分の活躍で勇気を与えるため?
確かにそれもある。でも、やっぱり「自分自身のため」だよなと気づいたんです。
過去の自分を今の自分が否定しない。
自分で言うとめちゃくちゃダサいですが、たぶん下澤は昔からバカがつくほど真面目に生きてきた人間です。笑
特別な才能は持ち合わせていませんでしたが、「もっとうまくなりたい!」「いつかプロサッカー選手になりたい!」そんな屈託のない向上心だけは一丁前。「サッカーが楽しい!休みなんていらない!」が合言葉です。
自分の成長につながらなそうなことには一切時間やお金を使わない。遊びに行くなら練習。服を買うならサプリメントを買う。隙間時間があればタメになりそうな勉強をする。…そんな感じでずっと生きてきました。
周りの人からよくかけられる言葉、圧倒的第一位が「休むことも大切だよ」だったので、たぶんかなり狂っているように見えていたんじゃないかなと。
柔軟性のかけらもなければ、効率なんてもってのほか。気づけば向上心が止められずに疲労骨折を3回経験してきました。それでも怪我はチャンスとかいって、また始める。下澤悠太とはそんな人間です。
しかし、そんなサッカー小僧の人生は楽しいことばかりではなく、自分なりに一生懸命にやってみても、なかなかうまくいかないことだらけでした。
受けたセレクションにことごとく落ちたり、怪我でシーズンを棒に振るったり、仲間が喜んでいる姿を観客席から眺め、心から喜べなかった時なんて何回もありました。数えたらキリがないほど悔しい体験ばかり。
それでもまた立ち上がり、前を向いて、息を吸うようにコツコツと取り組む。痛みを感じないのか。バカなのか。
でも、もしかしたら、どんな時でも前向きに取り組んでいた気持ちの裏側には、「もしかしたら、自分には無理なのかもしれない…」という不安を覆い隠し、一瞬でも自分を疑わないためだったのかもしれません。
その中で1つ転機が訪れます。それはプロサッカー選手になれたことです。
このタイミングが「これまで自分がやってきたことは、意味があったのかもしれない」と初めて思えた瞬間の1つでした。
しかし、現実は甘くはありません。
「ここからがスタートラインだ!」と気持ちをたかぶらせ、新たな挑戦がスタートしたものの、自分の力不足で、プロ2年目にして契約満了を告げられてしまいます。
「またか…本当に人生ってうまくいかないな…」と、落ち込むどころかむしろ開き直って笑いたくなりました。
でも、この時に思ったんです。ここで折り合いをつけ、挑戦を諦めてしまったら、これまで辛い時でも一生懸命に頑張ってきた過去の自分に対して、顔向けできないんじゃないかと。
「ここで諦めたら、あの日涙を堪えて頑張ってきた自分がバカみたいじゃないか」と。
やっぱり過去の自分がやってきたことを、今の自分が否定したくない。だからこそ、たとえ泥臭くても、擦り傷だらけでも、また立ち上がり、僕は最後の最後まで挑戦を続けようと決意しました。
そしていつの日か、過去の自分からのバトンを繋ぎ続け、「君があそこで諦めずにやり続けてきたからこそ、こんな最高の景色が見れたよ」と伝えてあげたい。
これが自分の挑戦を続けている理由の1つです。
夢は与えられなくても、希望になることはできるんじゃないか?
自分のサッカー人生を振り返っていた時に、ふと思ったことがあります。
それは「もしかしたら僕は、誰かに夢を与えることはできないのかもしれない」ということです。
転んでは立ち上がって、また転んで…を繰り返してきた人生。輝かしさなんて1ミリもなく、全身すり傷だらけ。そんな人間に憧れを抱く人なんていないのかもしれません。
でも、それと同時に「もしかしたら誰かの希望になることはできるのかもしれない。」と思いました。
擦り傷だらけの僕だからこそ、もっと成長し、もっと活躍することができれば、「下澤ができたのなら、自分にもできるかもしれない!」「下澤も頑張っているし、自分のもう少し頑張ってみよう」と、誰かの心を揺さぶり、勇気づけられる可能性はあるんじゃないかなと。
そんな瞬間が訪れた時に、僕が挑戦を続けてきた意味が証明されるのかもしれません。
目指すべき場所
「俺はいつか日本代表になってW杯で優勝してやる!!」
そんな熱い想いを持った少年時代。
ただ、遠くの未来ばかり見つめ、地に足がつかず、なんとなく成長し、なんとなく時間が経ってきました。
だからこそ、実現の可能性は0%ではなく、今の自分の立ち位置から、高くジャンプして届くかどうかの具体的な目標を設定してみました。
それは『2026年までにJ1でゴール・アシスト合わせて二桁の結果を残せる選手になる。』というものです。
これを実現するためには、改善しなきゃいけない問題が星の数ほどありますが、周りの力も借りながら、今、目の前にあることを120%以上の力で取り組んでいきたいと思います。
やれ!おれ!!
下澤悠太